≫ 院長挨拶

平成23年4月1日 紀南病院院長 須崎 真

須崎眞院長近影 紀南病院は、1980年に現在の「紀南病院組合立紀南病院」の名称に変更になりました。前身の「南牟婁民生病院」の時代から数えて、62年の歴史を持っており、現在も紀南地方の基幹病院として住民の健康管理に努めております。 病院は小高い丘の上に立地しており、前方1kmのところには、熊野灘に沿って美しい七里御浜の海岸が広がり、病院の近隣には世界遺産の熊野古道が点在する、風光明媚なところです。気候は沿岸を流れる黒潮の影響で、年中みかんが取れるほど温暖で、冬に病院近辺で雪が積もることはほとんどありません。
 一方、交通の面からみると、名古屋や大阪などの大都市から、車や汽車を利用しても最も遠い、紀伊半島の三重県南端、いわゆる東紀州地域にあって、その昔は「陸の孤島」と呼ばれておりました。
 近年、全国的な医師不足の影響で、当院でも医師の需要は満たせておらず、外来診療や救急医療の制限のために、皆様にはご迷惑をおかけしており、心苦しく思っています。限られた医療資源の中で最大限の効果を住民の皆様にフィードバックすることが出来るように、職員一同一丸となってがんばっておりますので、何卒、寛大なお心でご容赦いただきたいと思います。
 病院の運営に関しては、現代の複雑化した社会事情や高齢社会において、単一の医療機関で全てが効率よく回転するものではありません。急性期医療から慢性期医療、在宅医療という流れの中で、医療機関と保健・福祉機関が一体となって地域連携を強めていく必要があります。
 今後の当院の目標としては、自治体病院の役割としての住民の健康を守ることを中心として、
 1. 少ない医療資源のなか、医療関係者、行政、住民が智恵を出し合い、協力し合って良好な地域医療体制を築くこと
 2. 医療の格差是正に向けて、東紀州地域の方々にも平等に高度治療が受けられるように工夫すること
 3. 病院職員の健全な状態があってこそ、入院患者の皆様に十分なお世話が可能と考えておりますので、明るくて働きやすい職場環境になるように努めること
としたいと思います。そしてまた、引き続き、
 1. 医師、看護師などの病院職員の確保
 2. 診療科の充実
 3. 病院機能の充実
 4. 救急・災害対策の充実
に努めてまいりたいと思っておりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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